AY2014 SSRI-IGCシンポジウム (ICU)

ナショナリズムを超えて?
アジアにおける平和構築と宗教


開催日時
2014年12月20日(土)10:30 - 17:30
開催場所
国際基督教大学 東ヶ崎潔記念ダイアログハウス 国際会議室
主催
社会科学研究所(SSRI - ICU)
共催
グローバル・コンサーン研究所 (IGC - 上智大学)
平和研究所(PRI - ICU)

開催趣旨

第一次世界大戦から100年が経ったことで、アジアではまだ見過ごされているが、ナショナリズムのもたらす危機の兆候が現れてきている。ベンガルの詩人でノーベル賞受賞者のラビンドラナート・タゴールは、戦争が拡大する最中、日本で行われた講演において国民国家を批判し、国民国家から独立した社会の構想を示した。本シンポジウムでは、特にアジアとヨーロッパについて、そのような構想に関する問題を提起しようと試みる。他のBRICS諸国とともに、中国やインドの目覚ましい台頭が世界政治における西欧の覇権に対して大きな挑戦となっているにもかかわらず、現代国際関係(IR)では、政治共同体の支配的な形態は依然として国民国家である。ヨーロッパ政治史の産物である国民国家モデルは、まずヨーロッパ列強がアジアの大半を植民地化することで強制的にグローバル化し、その後は脱植民地化を通して拡大してきた。
しかしながら、日本では、国民国家は明治維新後に採用され、既存の民族的基盤の上に築かれた「自然な」政治共同体として広く受け入れられている。近年では、第二次世界大戦以来沈黙を続けていた日本の「エスノ・ナショナリズム」が復活し、また中国がナショナリストのレトリックを多用することによって、地域の平和と安定は脅かされている。このような状況は、台湾も領有を主張する尖閣諸島をめぐる領土問題で頂点に達している。東アジアにおけるエスノ・ナショナリズムの台頭は、多くの点で、先に出現した南アジアの宗教ナショナリズムを反映しており、それはインドとパキスタン両国の核兵器保有が引き起こす更なる危険をも映し出している。インド人民党(BJP)と、その党首であり、物議をかもしているナレンドラ・モディが地域の平和と安定にどのような影響を与えるかは現時点では不明である。
社会科学研究所と上智大学グローバル・コンサーン研究所によって共同で開催される第34回目の本シンポジウムでは、次の問題を提起することによって、アジアにおける平和の可能性を批判的に検討する。アジアの中でナショナリズムの台頭に対抗するために何ができるだろうか。もしできるならば、地域の平和構築において異教徒間の対話はどのような役割を果たし得るだろうか。

2014年度SSRI-IGCシンポジウム概要.pdf

午前の部(開始数分は音声欠如)

午後の部(途中から音量が大きくなります)

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