終了しましたシンポジウム「『武蔵野』から考える─野川文化からICUへ─」
2023-05-02カテゴリ: イベント:シンポジウム , ニュース
アジア文化研究所では来たる6月4日(日)に、シンポジウム「『武蔵野』から考える─野川文化からICUへ─」を開催いたします。
学内・学外にかかわらず、どなたでも事前登録の上でご参加いただけます。
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
【概要】
本シンポジウムは「武蔵野」という土地やイメージを踏まえ、野川流域の生活やそこに表現された文学、そして本学との関わりを捉えることで、国際基督教大学がなぜ「いま、ここ」にあるのかを再考するものです。
三鷹市大沢3丁目を住所とする本学のキャンパスは、武蔵野台地の南端、「ハケ」と呼ばれる国分寺崖線の上に位置しています。崖線からの湧水を集めた野川を中心に、豊かな自然環境が形成されている土地です。そうした周辺環境への関心は本学の教育・研究活動の重要な一部となってきました。例えば、キャンパス内にある博物館・湯浅八郎記念館ではキャンパス内で出土した石器、土器や住居跡(野川遺跡)を保全、展示しています。また、図書館併設の「ICUアーカイブズ」では、大沢地区に関わる資料を「All That Osawa」と題して収集・公開しています。
アジア文化研究所でも、これまで「12月8日をわすれないで:本館誕生70周年と日米関係を振り返って」(2011年12月)、「"ここ"の歴史へ:幻のジェットエンジン、語る」(2018年6月)、「1950年代のヴォーリズ:ICUの建築をめぐって」(2019年6月)など、キャンパスの歴史に関するシンポジウムを開催し、学内に残る建築物や文化財の価値について発信してきました。これまでのシンポジウムやキャンパスの歴史をめぐる刊行物では、敷地内に残る有形文化財「泰山荘」、戦時中に建設され今もなお一部が校舎として活用されている「中島飛行機三鷹研究所」、そして戦後のICU創立後に建設された校舎に至るまで、この土地に残るさまざまな建築物の歴史に主な焦点が当てられてきましたが、これら各施設の設置・建築の背景にも、周辺地域の環境・文化が影響を与えてきたことが指摘されています。そこで、今回のシンポジウムでは、これまでの研究成果を引き継ぎつつ、より周辺地域の環境、文化やその担い手となった人々の営みに焦点を当てることで、本学の歴史を新たな視点から考察することを目的としています。
本シンポジウムは午前の講演と午後の報告・見学会の2部に分かれています。午前の部では、まず『武蔵野をよむ』(岩波新書、2018)や「文学的な、いくつもの武蔵野」(角川文化財団『俳句』)での連載で知られる、武蔵野文学・文化研究者の赤坂憲雄先生に、野川という場所や風景がどのように文学において表現されたかを分析いただきます。続いて野川の水流を活用していた「大沢の里水車経営農家・新車」の調査・研究の第一人者で、『水車ぐらしを支えた民具』(三鷹市教育委員会、2005)や『回れ・まわれ・水車 武蔵野の水車ミュージアム』(武蔵野美術大学美術資料図書館、2005)などを編まれている神野善治先生に、野川流域の豊かな生活文化をご説明いただきます。
午後の部では、本研究所に所属する研究所助手の伊東弘樹が地域資料や大学創立に関わる資料などから、地域文化と国際基督教大学の接点について報告します。その後、地域遺産、文化遺産をご専門とする山川志典先生からご案内いただきながら、ICUキャンパス及び周辺の文化施設を見学する予定です。
【タイトル】「武蔵野」から考える──野川文化からICUへ──
【日時】2023年6月4日(日) 10:00~16:30
【会場】国際基督教大学三鷹キャンパス トロイヤー記念アーツサイエンス館328号室(午前の講演のみZoomでの同時配信を予定)
【主催】国際基督教大学アジア文化研究所
【後援】湯浅八郎記念館
三鷹市スポーツと文化部生涯学習課
【言語】日本語
【参加費】無料(要参加登録)
→こちらのフォームから参加登録をお願いします。https://forms.gle/CLVnMbxT2nmXzQmH8
【プログラム】
第1部 講演 *オンライン(Zoom)での同時配信を予定
10:00 講演1: 赤坂憲雄(学習院大学教授)
「文学的な、野川」
11:00 講演2: 神野善治(武蔵野美術大学名誉教授)
「野川流域の暮らしと水車」
第2部 野川見学会 *訪問先で観覧料(200円)の支払いが必要になる見込みです
13:30 報告1: 伊東弘樹(アジア文化研究所・研究所助手)
「地域から眺めるICU─大沢、武蔵野─」
14:00 報告2: 山川志典(早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
「見学会:ICUの森から野川を歩く」
14:30 見学会開始(ICUキャンパスおよび近隣古民家などを徒歩で見学、小雨決行)
16:30 見学会終了(西武鉄道多摩川線多磨駅にて現地解散の予定)