An Architect’s Dream: Vories and A University Designed for Peace
Saturday,October 29,2016Categories: Past Symposium (2013-2017)
アジア文化研究所・平和研究所共催
Institute of Asian Cultural Studies/ Peace Research Institute
シンポジウム『ヴォーリズの夢 平和と大学』
An Architect’s Dream: Vories and A University Designed for Peace
国際基督教大学は、戦時下の航空機産業の拠点である中島飛行機三鷹研究所の敷地に建てられた。それは軍需産業の平和利用の一つの事例である。三鷹に広がる広大な空間に新しい大学の理念を具現化しようとしたのは、建築家W.M.ヴォーリズである。ヴォーリズは新しい大学理念をどのように具現化しようとしたのだろうか。建築史、教育史、社会学など多様な分野の第一線の専門家を招いて討議する。ヴォーリズに対する再評価が社会的に高まっている現在、本シンポジウムは国際基督教大学建学の使命を明らかにし、社会に広く還元することを目的とする。
The International Christian University was built upon the grounds of the Mitaka Research Center of the Nakajima Aircraft Company, one of the leading manufacture of military aircraft during Japan’s war years. This is one of several instances of the peacetime use of former military industrial sites. It was the architect, William Merrel Vories, who undertook the task of giving physical reality to the new university’s ideals in its expansive Mitaka campus. How did he do this? In an attempt to answer this question, we have invited a group of outstanding scholars from diverse specializations including architectural history, educational history, and sociology. As Vories and his work are currently the subject of renewed appreciably and appraisal, this symposium seeks to clarify the founding ideals of International Christian University and make them more widely known in the world today.
●日時:10月29日(土曜日)13時〜18時
Date: October 29th (Sat) 13:00-18:00
●場所:国際基督教大学 ディッフェンドルファー記念館 オーディトリウム
Location: ICU Diffendorfer Memorial Hall(East Wing) Auditorium.
●講演:
講演者:立川明氏 (国際基督教大学名誉教授 教育史)
Tachikawa Akira(Professor Emeritus, ICU, History of Education)
演題:「科学、世界大戦、人文学の復活:ICU 誕生の背景について」
“Science, the Great War and the Revival of the Humanities: The Background of ICU’s Founding”
リベラルアーツ・カレッジとしてのICUの設立の一つの背景には、20世紀の合衆国での人文学の復活が有ります。復活の前提は、19世紀後半から目立った教養としての科学の台頭です。戦争の一掃を掲げた教養としての科学は、世界大戦の到来で一度は挫折します。その間隙を埋めたのが人文学で、リベラルアーツ・カレッジの復活の基礎ともなりました。
講演者:山形政昭氏 (大阪芸術大学教授 建築史)
Yamagata Masaaki(Professor, Osaka University of Arts, History of Architecture)
演題:「ヴォーリズによるキャンパス・デザインの特色 」
“The Characteristics of Campus Design by W.M. Varies”
キリスト教主義を標榜する建築家 W.M.ヴォーリズの活動履歴のなかで、学校建築は重要で特色のあるものとなっている。そこで1912年に始まる関西学院(神戸)の建築を始めとする代表的な事例を通して、種々の特色を理解しヴォーリズの建築理念を今一度確認したい。 ・内容項目は 1.建築活動の特色とミッション・スクール建築の位置 2.敷地 とキャンパスの構成 3.建築デザインの特色
講演者:山崎鯛介氏 (東京工業大学准教授 建築史)
Yamazaki Taisuke(Assistant Professor, Tokyo Institute of Technology, History of Architecture)
演題:「ICU本館とディッフェンドルファー館のデザインとその価値」
“The design and their historic value on the main building of ICU and the Diffendorfer Memorial Hall”
ICUのキャンパスにはヴォーリズやレーモンドが1950〜60年代に設計した佳作が多く残る。作品に加えて設計図書や関連資料のアーカイブズも充実しており、今後はそうした歴史的な資産を活かしたキャンパスの再整備が望まれる。戦中・戦後建築への歴史的評価・保存調査が本格的に始まった今、ヴォーリズ事務所の関わった本館(1944年竣工/1953年改修)とディッフェンドルファー館(1958年竣工)のデザインとその価値について考える。
講演者:吉見俊哉氏 (東京大学大学院教授 社会学)
Yoshimi Shunya (Professor, University of Tokyo, Sociology)
演題:「東京空爆と「明日の大学」:2つの大学都市構想の比較から」
“Tokyo Air Raid and ‘University for Tomorrow’: Comparison with Two University Town Projects”
本報告では、焼け残った中島飛行機三鷹研究所からICUキ ャンパスに転換していったこの地が、米軍による激しい空爆 を受けた戦中から戦後にかけての東京でどのような位置を持 っていたのかを考えるところから出発し、キリスト教リベラ ルアーツ・カレッジとしてのICUと旧帝大+旧制高校とし ての東大の比較を視野に入れつつ、戦後の新制大学における リベラルアーツの位置づけと、それに対応した大学都市の理 念について考える。さらに、三鷹研究所跡地と東京都心北部 のそれぞれで考えられていた「都市としての大学」の方向性 の共通点と相違点を明確にすることで、これらの地域の未来 を考えるための糸口としたい。
●司会: 田仲康博、高澤紀恵
Chair: Tanaka Yasuhiro(ICU), Takazawa Norie(ICU)
●懇親会 (Reception Party) 18:30~
今後シンポジウムの特集号を刊行する予定です。
詳細が決まりましたら再度お知らせ致します。
今後ともよろしくお願い申し上げます。