科学史プロジェクト

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渡邊正雄教授を記念して開設された科学史の寄付講座は1991年に終了した。寄付講座の活動を惜しむがゆえに、実質的活動の一部は、制度上「キリスト教と文化研究所」に科学史プログラムという形で寄託されることになった。渡邊教授はその顧問という立場で、なお引き続き学生の論文の指導をはじめ、活動を支えて下さった。一般教育科目(理学科学生に関しては必修単位)として永年開講されてきた科学史及び科学哲学という講義は、再び非常勤講師に戻って村上陽一郎が出講して担当した。このような過渡期的な状況を経て、1995年4月、東京大学を定年まで2年余した村上が招かれることになった。ここにICUは初めて、正規の教授職として、科学史・科学哲学を認めたことになるが、この措置はもとより寄付講座という前例があって、ようやく実ったと考えることができる。

この教授職の受入先としては、理学科か人文科学科かという選択が有り得たが、諸般の事情から人文科学科となった。ただ、卒業論文を科学史 (あるいは科学哲学) で書きたいという学生の希望は、従来の経過からしても理学科内にも常に潜在的に存在することを考慮して、村上は理学系の大学院の兼任教授となるとともに、理学科の学生から希望があった際には、相互の十分な意志の疎通を前提として、村上が指導を引き受けることが理学科との間で了承された。

また、村上の着任に際しては、科学史・科学哲学の教授職が将来に亙って保証されるという条件が当事者の間では確認されていた。その後定年制度の改訂や常勤教員の定数削減を柱とする大学の構造変革のなかで、全ての教授職が大学全体の教育・研究の需給関係の中で流動的に扱われる、という基本方針が採用され、科学史・科学哲学教授職もまた、例外ではない、という状況が生まれている。しかし、リベラル・アーツ大学のなかでの科学史・科学哲学の重要性の認識は後退したわけではなく、先の条件は十分考慮されるべきであると考えられる。

着任後の村上は、渡邊顧問との連携の下で、また絹川学長 (1996年就任)以下の支援の下で、従来の科学史プログラムの活動を引き継ぐほか、幾つかの新しい方向を進めつつある。まず従来からの継承としては、基本的教育プログラムである科学史、科学哲学を担当するほか、記号論理学や関連する人文科学科の基礎科目、科学哲学系の「哲学の諸問題」、あるいは大学院の理学系、行政学系での講義などを担当し、また卒業論文、大学院(比較文化課程)における論文指導を担当している。論文の状況は別掲の通りである。また科学史プログムでは、科学史フォーラムという形で、学内外の研究者を招いて研究会を開催してきたが、それも引き続き行われている。その状況についても別掲の表を参照されたい。

新しい動きとしては、STS (Science, Technology and Society)への方向づけがある。最近欧米の大学で目立つ現象として、科学史・科学哲学、さらには科学社会学を中核にしながらも、やや広い視野と現代的な関心とを備えたSTSの教育・研究活動が次々に制度化されていることが指摘できる。この動きは日本にも波及して、幾つかの大学では講義が設けられるようになり、1998年3月には、村上を組織委員長に、最初の世界会議が日本で開催されるという事態も迎えた。ICUでも、こうしたプログラムの可能性が検討され、1998年度からとりあえず村上の担当する全学共通コースとして「科学・技術と社会」が開講された。2000年度から全学を横断するような「マイナー」プログラムとして、STSを立ち上げるべく、現在準備中である。

公開講演会「科学史フォーラム」より

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