『パロディと日本文化』

2005-11-12

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『パロディと日本文化』

2005 年11月12日(土)
国際基督教大学 湯浅八郎記念館 1F ラウンジ

「私たちは後ろを振り返りながら先に進もうとしている。パロディこそがこういう時代の中心的表現方法である」という言葉にあるように、パロディは、現代文化の主要な表現方法の一つと して定着して、文学や美術などから政治哲学まで、あらゆる分野に及んできたのである。他方、パロディは、文化の誕生とともに発生し、それぞれの文化の発展の特徴を促す強力な手段でもある。なぜなら、パロディが成り立つため、共通の約束に基づいた基準、テクスト、価値観などが必要であるからだ。言い換えれば、パロディが文化の「自己反射性」のあらわれであるからだ。それに対応して、パロディは、対象になった「権威ある伝統」に焦点を合わせながら、新しい時代の価値観をも反映するという二通りの役割を果たしているのである。日本文化も例外ではないはずだが、「パロディ」という外来語に相当する日本語がない。なぜだろうか。「パロディと日本文化」のシンポジウムの狙いは、日本文化におけるパロディの働きを、古代から近・現代まで、文学、美術、思想などからのいくつかの代表的な例を通して追究し、日本文化の流れをたどりながら、その独特な意味生成パターンを考察してみることにある。学外の研究者たちにも参加していただき、すべての発表後、オーディエンスからの意見やコメントを含めて、総合ディスカッションを予定している。
総合司会:広瀬正宜(国際基督教大学語学科教授)

講演1パロディの理論
ツベタナ・クリステワ(国際基督教大学人文科学科教授/日本文学)

講演2 百鬼夜行絵巻の図像を読む
小峯和明(立教大学文学部日本文学科教授/中世文学)

講演3 『小紋雅話』の仕掛け ー山東京伝作絵画本のパロディー
岩崎均史(たばこと塩の博物館主任学芸員/美術史・文化史、成城大学非常勤講師、
国立歴史博物館客員教授)ディスカッション

講演4 「聖人の道」と「色道」
小島康敬(国際基督教大学社会科学科教授/日本思想史)

講演5 Where Did Parody Go? Mid-Meiji Adventure Novels and the Idea of the Colonial
John Mertz(国際基督教大学アジア文化研究所客員研究員、ノースカロライナ州立大学助教授/日本文学)

講演6 中国文化におけるパロディ
古藤友子(国際基督教大学語学科教授/中国哲学・東アジア思想史)

総合ディスカッション

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