アジアンフォーラム 138th 「1960・70年代の日本における専門研究者たちと環境に関する知見」
2012-04-17カテゴリ: アジアンフォーラム , アジアンフォーラム(2008-2012)
138th
2012年4月17日 火曜日
14:00-15:00
東ヶ崎潔記念ダイアログハウス 中会議室 203, 204号室
Simon Avenel
lシンガポール国立大学、歴史学
Experts and Environmental Knowledge in 1960s and 1970s Japan
(1960・70年代の日本における専門研究者たちと環境に関する知見)
本報告では、1960年代、70年代日本の環境運動における社会科学・自然科学の専門研究者たちの役割を検討する。都留重人、宮本憲一、宇井純など反公害運動の先駆者たちは、環境をめぐる世論の喚起と方向付け、日本の公害の海外への紹介、そして立法と司法の画期的な発展への影響において形成的役割を担った。彼らはその特権的な地位により、科学的な情報の交換や政治運動の形成のための強固な国際的ネットワークをつくりあげた。彼らの組織の一つである公害研究委員会は、四日市市のような汚染地域の調査を行い、影響力のある国際会議を開催し、公害訴訟に専門家の証人を立たせた。当時の厚生省の豊富な財政的・組織的支援によって、この委員会とメンバーたちは先駆的な環境問題提唱者となり、広く流布していた政治的・経済的なものの見方に対抗する立場を徹底的に推し進めたのである。本報告では、当時の日本と世界で展開された環境運動における環境専門家たちの役割を考察する。
表言語:英語