終了しました川上未映子『夏物語』―ジェンダーと翻訳―
2020-09-08カテゴリ: CGSのイベント , 講演会・公開レクチャー・ワークショップ
川上未映子『夏物語』―ジェンダーと翻訳―
国際基督教大学のジェンダー研究センターと早稲田大学の由尾瞳教授が、作家の川上未映子氏および翻訳者のサム・ベット氏とデビッド・ボイド氏をお招きし、ジェンダーと翻訳について話し合い、また『夏物語』の英訳Breasts and Eggsについてのオンライン・イベントを開催します。
日時 2020年10月8日(木)10:00-11:30 (JST)
使用言語 英語
この座談会は基本的に英語で行われます。作家の川上氏は日本語で
会場 Zoomを用いて開催します。
人数に限りがございますので以下のアドレスより事前登録をお願いします。
https://icu.zoom.us/webinar/register/WN_pufl7oMoRQWlh7ZN4V8h0A
イベントは Zoomウェビナーにて開催されるため、参加するにはZoomのソフトが必要となりますのでご注意ください。登録者には、参加時に必要なリンクが当日メールより送られます。
作品紹介
先日、毎日出版文化賞受賞作『夏物語』の英訳が、芥川賞を受賞した前作『乳と卵』より由来する「Breasts and Eggs」というタイトルで出版され、著者の作品は英語圏やアジア圏外の市場へ大規模な進出を果たした。この作品は『乳と卵』で描かれた物語を軸に、語り手である夏子の10年後の人生を綴った小説で、精子提供でシングルマザーになるという事に対する夏子の様々な思いが描かれている。川上氏は多様な作風をもつ多作な作家であり、彼女の作品はフェミニズム、ジェンダー、女性作家による文学に関するテーマが描かれている事で有名である。『夏物語』の中で語り手が直面するジレンマは、日本で今まさに話題となっている内容であり、また、世界中の読者の心にも訴えかけるものがある。作品に出てくる登場人物の日常生活を通して、女性の抑圧、不安定性(プレカリティ)、家庭内暴力、生殖に関する倫理、正義、科学技術など、数々の大きな問題が取り上げられている。
Kawakami Mieko's Breast and Eggs. Translated by Sam Bett and David Boyd, Europa Editions (USA), Picador (UK), 2020.
登壇者のご紹介
川上未映子
作家・詩人。大阪府生まれ。 2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』が第137回芥川賞候補に。同年、
サム・ベット
マサチューセッツ大学アマースト校と関西学院大学にて日本語を学んだサム・ベット氏 は、2016年のJLPP翻訳コンクールで大賞を受賞し、川上氏の作品以外に小川洋子、三島由紀夫、東野圭吾などの小説の翻訳も手掛けてきた。また、彼が翻訳した三島由紀夫の「スタア」は2019/2020日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞した。
デビッド・ボイド
ノースカロライナ大学シャーロット校にて日本語の助教授を務めるデビッド・ボイド氏は、川上氏の作品以外に小山田浩子、高橋源一郎、小野正嗣などの小説の翻訳も手掛けてきた。また、彼が翻訳した古川日出男の「二〇〇二年のスロウ・ボート」は2017/2018米友好基金日本文学翻訳賞を受賞した。
由尾瞳
由尾瞳氏は早稲田大学の国際日本学コースにて准教授を務めており、女性作家による文学や、19世紀末から20世紀初めのフェミニズム文学のコミュニティ、また、川上未映子の作品などについての研究をしている。由尾氏が翻訳を手掛けた川上氏の短編小説やエッセイは GRANTA、Freeman、Monkey Business、Denver Quarterly、Words without、Borders、 Wasafiri、The Penguin Book of Japanese Short Storiesなどで取り上げられた。
フリアナ・ブリティカ・アルサテ
フリアナ・ブリティカ・アルサテ氏 (jburitica@icu.ac.jp) は国際基督教大学のジェンダー研究センターで助教授を務めており、川上未映子氏の作品を含む、日本現代小説においての子育ての描かれ方、また、それに関する身体的な体験について、クィア理論とフェミニスト理論の両方を用いて分析の研究している。