沿革 

沿革

国際基督教大学平和研究所(ICU PRI)は、1991年、本学における平和研究の強化と充実を目的として設立されました。すでに1984年から学部科目 として「平和研究」が開講されていましたが、それに対する学生たちの関心の高さを受けて、また、教員の中にあるこの分野での潜在的力量を開拓するために、 研究所を組織することが必要だと考えられたためです。

大学自体が、さきの世界大戦に対する反省に立って建学されたものでした。本学に学んだ若者が平和の建設に貢献し、人権を重んじ、社会正義を推進するように との希求が原点にあったのです。建学の準備に加わったキリスト者たちは、とりわけ平和意識の強い人たちでした。また厳しい戦争体験を耐え抜いた湯浅八郎・ 初代学長が、終生、「平和」を若者の教育の根本にすえ、平和研究を本学の教育研究の柱にしたいと考えていたことも、平和研究科目の開始ならびに平和研究所 の開設に大きな影響を与えました。

開設以来この研究所は、一貫して研究分野の多様性を根本の原則にしています。大学自体が教養学部の理念を重んじていることに合わせ、所員も社会科学の分野 に限定せず、人文科学、教育学、心理学、自然科学など、さまざまな分野の教員で構成してきたのです。戦争や平和そのものを扱うといった、狭い意味での平和 に対象をしぼるのではなく、多様な問題を多様な視点から扱い、平和に至る道を幾筋も見つけだしたいと希望したのです。

それ以来この研究所は、所員各自がそれぞれの研究プロジェクトを遂行し、その成果を刊行するほか、数多くの講演会やセミナーや公開研究会も開催してきまし た。他団体との協力で雑誌を刊行したり、国際会議を開催したりもしています。2001年からは、岩波書店「世界」編集部と共同で、すぐれた論稿を英文でインターネット上に発信するという事業も始めました。

研究所は基本的に研究機関であり、直接に教育に携わってはいませんが、1992年以来、学生たちを平和研究に有意義な場所での研修旅行に連れて行くという 活動をおこなっています。これまでに、米国ニューメキシコ州、アウシュヴィッツほかの強制収容所、エルサルヴァドル等で研修をおこないました。行き先に よって学生たちの学ぶ内容は違いますが、それぞれ、学生たちに対して大きな成果をもたらしています。
(2001年6月)