野川水質検査

2004年度および2005年度
ICU NS-III 「自然の化学的基礎」のクラスで実施
                             指導:吉野輝雄

データ


(記載順が異なる点に注意)

訪問場所の地図(1-8: 水質検査を行う地点) 8は富士見大橋の下

 


2005年2月18日の野川の水質検査の結果について
     *2004年の結果について (pdfファイル)


測定値の意味と評価


●河川水のpH
河川の酸性度を測ります。工場排水などが流れ込んで酸性度が高いこと があります。チッ素酸化物、イオウ酸化物などの酸性物質が雨に溶けると酸性になります。 pH7.0が中性、7以下が酸性、7以上が塩基性です。 pH5.6以下が酸性雨です。降り始めの雨を容器にとって測ります。
「結果」
・pHは7付近で中性。空気中の二酸化炭素が溶けているのでpHが6となっても異常で はない。どの地点も中性と判断できる。


◎パックテストの種類◎
●COD(化学的酸素消費量) 水の汚れを知る代表的指標。水の中の有機物の量をしらべ ます。台所排水、油、し尿、工場排水などが流れ込みますと数値が上がります。 (単位:mg/L, ppm)
0:きれいな水、2-5:汚染がある、 5-10:汚染が多い、10-汚れた水
「結果」
・CODは、地点3が8なので、「かなり汚染している」ことになる。地点7も6とかなり高い。他の地点1, と8が4-3.5と「汚染されている」という結果である。他の地点は1-2なのでやや汚染されている、と言える。


●全硬度 硬度とは水の中に溶けているカルシウム、マグネシウムの量です。全硬度は、 これに相当する炭酸カルシウムの量に換算したものです。 (単位:mg/L, ppm)
0:蒸留水、10-100:軟水、100-:硬水
「結果」
 20-70の間の値なので、全域が軟水と判断できる。


●硝酸性チッ素  亜硝酸性チッ素に酸素が付くと硝酸性チッ素になります。硝酸性チッ 素になると植物に吸収されます。 肥料、生活排水が高い値の原因となります。(単位: mg/L, ppm)
1-5:きれいな水、10-20:少ない、30-45:ふつう、50-:多い
「結果」
地点7(湧水口2)のみが10以下で、地点2,3,5,6は10以上だが「少ない」。しかし、地点1,4,8は30-45と「ふつう」の範囲になる。


●リン酸イオン  外資系洗剤、肥料、農薬などに含まれ水中に入ります。濃度が高くな ると 水は富栄養化します。 (単位:mg/L, ppm)
0.1:きれいな水、0.1-0.5:少し汚れがある、 0.5ー:汚染がある
「結果」
地点2,3,4,6,7,8(6箇所)は0.1以下なので「きれいな水」。しかし、地点1は「少し汚れがある」、また地点5は0.9と「汚染がある」と判断される。


「総合評価」:
地点1,4,8の硝酸塩の値が高いという事実だけを見ると汚染度が高いと考えられるが、リン酸塩は低いので、汚染の種類が地点によって異なるようだ。
地点5は湧水であるにも関わらずリン酸の値が高いことが特徴的である。生活排水(洗剤など)がしみ込んでいることが考えられる。地点8のCODが高いのは、池に水が滞留しているためと考えられる。地点6のCODが高い理由は不明。
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