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ミネラルウォーターの普及とその安全性

 

現在の日本におけるミネラルウォーターの消費量は年々増加の一途をたどってきている。その市場はこの10年で8倍という急成長を遂げたが、ヨーロッパ諸国と比較すると、国民ひとり当たりの年間消費量では、日本は現在約5リットルで、フランスの約23分の1、イタリアの約28分の1程度にすぎない。東南アジア諸国と比較してみても、香港は日本の4倍、シンガポールは3倍である。アメリカでは、全体の消費者の4割が定期的にミネラルウォーターを購入しており、その消費量は約30億ガロン、金額にすると約50億ドルであり、毎年8パーセント近く伸びつづけている商品分野である。

まだまだ大きく成長していくと思われる日本のミネラルウォーター市場であるが、そもそもミネラルウォーターとは具体的に何であろうか。ロッテの中央研究所によると、一般的にいわれるミネラルウォーターとは以下の4つに分類することができる。

      1 ナチュラルウォーター
            1つの水源から採取された地下水で、沈殿ろ過または加熱殺菌処理だけをした水をさす
      2 ナチュラルミネラルウォーター
             ナチュラルウォーターの中で、地層中のミネラル分が溶け出したことにより、成分的に特徴をもった水をさす
      3 ミネラルウォーター
             源水はナチュラルミネラルウォーターと同じだが、複数の源水をブレンドしたり、ミネラル分を調整したり臭気を除いたりした水をさす
      4 ボトルドウォーター

上記の3種以外の水のことで、蒸留するなど人工的な処理をした水をさす

実際はこれらの基準があいまいなため、どう呼ぶかは業者任せになっている。

だが、ミネラルウォーターの中に水道水とは違って加熱処理をされていないものが含まれている以上、その安全性には一抹の不安が残る。例えば、あるミネラルウォーターが石灰岩地帯を有する山岳から産出されていたとすると、非常に濃度の高いひ素が含まれている可能性がある。管理された水道水の場合でさえ、一生の間にそれを飲みつづけてガンになる可能性は10万人に60人という割合であり、これは他の食品と比べても60倍くらい高い値である。

また、ミネラルウォーターをいれるペットボトルの処理も大きな問題となっており、ミネラルウォーターの普及と近年の500mlのペットボトルの流行によって、ゴミとして出されるペットボトルの量は飛躍的に増加している。1997年にはメーカーや容器利用業者に対して容器のリサイクルを義務づけた容器包装リサイクル法が施行されたが、依然としてリサイクルされる容器はきわめて少ない。

消費者がミネラルウォーターを購入する理由は、安全でおいしい水を飲みたいという願いから来ているのに他ならない。そしてこの状況は、水道水に対する不信感をも示している。近年論議を呼んでいるダイオキシンの水を含めた食品への混入や、水道管内の錆によって水が赤くなってしまうということが人々の不信をあおっている。アメリカでは、安全飲み水法(SDWA)修正案が可決された。これにより、老朽化した浄化システムの改善や新施設の建設に政府が援助金を出すほか、水道局に対し、消費者への水質報告を義務づけている。また、オークランドでは水道水の殺菌に使う物質を、発がん性物質を作り出す恐れがある塩素から、別の化合物であるクロラミンにかえた。そしてミネラルウォーターそのものの品質管理も徹底されている。政府はミネラルウォーターを食品として規制し、化学物質や放射線などの汚染物質の検査を義務づけている。また、州によっては上記以外の汚染物質についても検査を実施しているほか、業者の85パーセントが加盟しているといわれるインターナショナルボトルウォーター協会も会員に対して検査を実施している。日本でもこのようなハードの面での行政を主体とした整備が必要である。それに伴い、我々消費者も、ペットボトルをきちんと分別して捨ててリサイクルの意識をもっと自覚するべきであるし、そしてなによりも、水道水汚染のもととなっているダイオキシンや他の有害な化学物質に対する論議のもととなっているごみ問題に対して深く考えることが大切である。

参考にしたホームページ
ミネラルウォーターのお話
http://www.fujitv.co.jp/jp/kurasi/j011.htm
    ミネラルウォーターの成分分析や、市販されているミネラルウォーターの評価について
   
水道水はどこまで安全か
http://plaza18.mbn.or.jp/yakp/suidosui.htm
    水道水およびミネラルウォーターの安全性について対談形式にまとめられているサイト
   
ペットボトルリサイクルについて
http://eurowater.or.jp/8/8.html
    ペットボトルの用途と、そのリサイクル性および容器包装リサイクル法について
   
米国で根強いミネラルウォーター人気
http://www.health-station.com/kaigai42.htm
      米国における水道水とミネラルウォーターの実状およびその管理法について

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