化学用語・小辞典
 
 
●原子(atom)
物質の最小単位。
原子核といくつかの電子からなる実在の物質。
+電荷をもつ原子核とー電荷をもつ電子から成り電気的に中性。
自然界に存在する最も軽い原子は水素(H)で、最も重い原子はウラン(U)。
ウランよりも重い原子は核反応によって生成する(超ウラン元素と呼ばれる)。
 
●元素 (element)
原子の名称。自然界に存在する92種の原子に元素名が付けられ、それぞれに元素記号が与えられている。 その一覧表が元素の周期表(periodic table)である。
 
●分子 (molecule)
化学結合によって結ばれた原子の集合体。
 
●原子量 (atomic weight)
原子の相対的な質量(無単位)。
 
●分子量 (molecular weight)
分子を構成している原子の原子量の和。
 
●化合物 (compound)
複数の原子からなる物質。単原子分子以外は化合物。
 
●単体 (simple substance)
1種の元素からなる分子。
水素(H2),酸素(O2), 窒素(N2), アルゴン(Ar)、硫黄(S)、ヨー素(I2)
 
●単原子分子(single atom molecule)
1個の原子で安定な分子。ヘリウム(He), ネオン(Ne), アルゴン(Ar)などの希ガス類。
 
●二原子分子(two atom molecule)
1個の原子で安定な分子。例えば、水素(H2), 酸素(O2), 塩化水素(HCl)
 
●モル(mole)
分子を数量的に扱う場合に用いる単位の一つ。
分子がアボガドロ数だけ集合した量を1モルという。
1モルは分子量にg をつけた質量に相当する。
例えば、水素(H2)1モルは2g, 酸素(O2)1モ ルは32g, 水(H2O)1モルは18g。
 
●物質(substance)
原子、分子の集合体。純物質は単一分子の集合体。
化学物質(chemical substance)という名は俗称。
 
●物体(matter, material)
感覚でとらえることのできる物質
用語例:軽い物体、透明な物体、柔らかな物体、赤い物体、丸い物体。
 
●イオン (ion)
電荷をもった物質。+電荷をもった物質を陽イオン(カチオン)、- 電荷をもった物質を陰イオン(アニオン)という。
最も簡単なイオンは、水素原子から電子が離れた水素イオン( H+ )で、陽子 (proton)そのものである。
食塩( NaCl )は、ナトリウムイオン( Na+ )と塩化物イオン( Cl- )から成るイオン性物質である。
 
●高分子 (polymer)
分子量の大きな(通常は1000以上)な分子。タンパク質、核酸(DNA, RNA)などの生体高分子とポリエチレン、ナイロンなどの人工合成高分子がある。
 
●電子 (electron)
原子を構成している - 電荷の本体。原子核の周りを絶えず運動しており、その分布範囲が原子サイズを決めている。電子の数と原子核からの距離が原子、分子の基本的な化学的性質が を決めている。
 
●原子核(nucleus)
原子の中心にあって陽子と中性子から成る。陽子数だけの陽電荷を帯びている。
 
●原子番号(atomic number)
原子核中の陽子の数。
 
●質量数(mass number)
原子核中の陽子と中性子の数の和。
 
●化学反応(chemical reaction)
分子の変化。実態は分子を構成している原子の組み合わせの変化。
化学反応には必ずエネルギー変化が伴う(熱エネルギーの場合には数 kcal/molから100kcal/mol程度)。
 
●核反応(nuclear reaction)
原子核の分裂(fission), 融合(fusion)を伴う反応。超高温(1000万℃以上)で起こり、莫大なエネルギー放出を伴う。
太陽などの恒星ではたえず核融合反応が起こっている。超新星の爆発は核分裂反応。

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