Last Update : December 22, 1998

CALII 微分積分学II

1998年度 QUIZ :


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QUIZ 1 1998

提出日:1998年12月18日 午後1時半 鈴木研究室

  1. f(x,y) を (x,y) が (0,0) とことなる時は、x2y/(x2+y2)、f(0,0) = 0 で定義された関数とする。

    1. f(x,y) は (0,0) で連続かどうか判定し、理由も述べよ。

    2. f(x,y) は (0,0) で x に関して偏微分可能かどうか判定せよ。可能なら、fx(0,0) を求め、不可能ならそのことを示せ。

  2. g(x,y) を (x,y) が (0,0) とことなる時は、xy/(x2+y2)、g(0,0) = 0 で定義された関数とする。

    1. g(x,y) は (0,0) で連続かどうか判定し、理由も述べよ。

    2. g(x,y) は (0,0) で x に関して偏微分可能かどうか判定せよ。可能なら、gx(0,0) を求め、不可能ならそのことを示せ。

    3. g(x,y) は (0,0) で全微分可能か判定し、その理由も述べよ。

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QUIZ 1 1998 : Solution

  1. f(x,y) を (x,y) が (0,0) とことなる時は、x2y/(x2+y2)、f(0,0) = 0 で定義された関数とする。

    1. f(x,y) は (0,0) で連続かどうか判定し、理由も述べよ。

      解答: x = r cos t, y = r sin t とおく。すると、
      lim(x,y)→(0,0)|f(x,y)| = limr→0(r3 |cos2t sin t|)/r2 = limr→0 r |cos2t sin t|) = 0 = f(0,0)
      だから、f(x,y) は (0,0) で連続である。
      |cos2t sin t| は1以下であることに注意。y = mt とおいて調べただけでは不十分です。
      原点を通る直線上では、一定の値だが、曲線を通って (0,0) に近付く時にはある一定の値にならないような例も作れます。h(x,y) = x2y4/(x2+y4) などを考えてみて下さい。

    2. f(x,y) は (0,0) で x に関して偏微分可能かどうか判定せよ。可能なら、fx(0,0) を求め、不可能ならそのことを示せ。

      解答: limh→0(f(h,0)-f(0,0))/h = limh→00 = 0
      だから fx(0,0) = 0 である。最初から y = 0 としているところに注意して下さい。

  2. g(x,y) を (x,y) が (0,0) とことなる時は、xy/(x2+y2)、g(0,0) = 0 で定義された関数とする。

    1. g(x,y) は (0,0) で連続かどうか判定し、理由も述べよ。

      解答: x = y = t とする。もし、g(x,y) が (0,0) で連続ならば、lim(x,y)→(0,0)g(x,y) が存在して、g(0,0) = 0 と等しくなければならない。ところが、
      0 = lim(x,y)→(0,0)g(x,y) = limt→0g(t,t) = limt→0 1/2 = 1/2
      これは、矛盾である。従って、連続ではない。

    2. g(x,y) は (0,0) で x に関して偏微分可能かどうか判定せよ。可能なら、gx(0,0) を求め、不可能ならそのことを示せ。

      解答: limh→0(g(h,0)-g(0,0))/h = limh→00 = 0
      だから gx(0,0) = 0 である。すなわち、偏微分可能です。

    3. g(x,y) は (0,0) で全微分可能か判定し、その理由も述べよ。

      解答: 全微分可能であれば (0,0) で連続でなくてはいけないが、1より連続ではないので、全微分可能でもない。
      判定条件として、gx(x,y) および gy(x,y) が (0,0) の近くで連続であれば良いが、これは、連続ではありません。また、これらが連続でないことが示されたからといって 全微分可能ではないとは結論できません。このことにも注意して下さい。


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