ICU-ACTはサハシくん、カナミさん、アキモトくんの3人によって設立されたサークルです。というわけでACTについてはサハシくんの言葉で説明を…。

「ICUには90%満足しているが、10%の足りない部分が外部との接点。それを 補いたい」ということがACTの設立の願いでした。ICUは本当に魅力的な大学で す。キャンパス、少人数クラス、交換留学制度など自分が受けている数多の恩恵に私 自身常に感謝しています。しかし、自分のおかれている環境に完全な満足に浸りたく はありません。例えば実社会からの刺激などはICUの中で勉強しているだけではほ とんど得られません。学問を社会の中で体現し実践することは卒業後の課題かもしれ ませんが、在学中にも机上で学んだことが本当はどうなっているのか、現場を知りた いと勉強をすすめるにつれ思いを強くします。そこでキャンパスの枠を超えた対話の 場所を社会で実際に活躍している人々と作り出し、実社会で培われた人生の先輩方の 社会経験や広い見識をフィードバックしていただこうと私たちの活動は始まりまし た。次世紀のICUの課題は「行動するリベラルアーツ」の実現ですが、ACTの活 動も私たち学生が同じ文脈で行おうとするものです。
 その意味で、ACTは「シンポジウム」をする団体です。シンポジウムとは元々ギ リシャ語で「饗応」、酒でも飲みながら闊達に議論をまじあわせる場を意味します が、私たちはそのようなコミュニケーションをICUに呼び戻したいのです。学生 と、一番身近な社会人である教授や職員の方々、同窓生をはじめとする外部の社会人 との間に、ACTive Communication Triangleを実現させていく、ACTの趣旨はそこ にあります。ICU祭では古典的なシンポジウムの形で行いましたが、今後は様々な 形で本当のシンポジウムを実現していこうと思っています
「ALMUNI NEWS 2000年4月 より」

 21世紀を迎えるにあたって、今世界は激動のうちにある。 競争・発展を軸にしてきた社会は、われわれの人間生活を 物質的に豊かにする一方、まさにその活動によって戦争・ 経済摩擦などの様々な負の側面をも産みだした。相互依存 が進む世界においても絶対的な破壊力有し続けている核兵 器の存在、自然を人工的に搾取することによって生じた環境 問題はいまや我々の存在そのものさえ危うくしている。国内に 目を転じてみても、閉塞感を増す日本経済、構造的に硬直化 した官僚機構・企業群、北朝鮮・中台問題・NATOの大使館 誤爆と危機感を増す東アジア情勢、高齢化社会の到来と介護 保険法の実施、教育改革、地方分権、情報公開、エネルギー 問題、科学技術問題など、今の日本社会を取り巻く問題は数 知れない。世界、そして日本は今、存在の安全性・安定性が 脅かされている時代といえるのではないだろうか。

 この危機的状況にあって、個人レベルでは急速に個人主義 が台頭し始めている。日本においてはいわゆる「戦後民主主 義」の自由を求める流れの中、公共的なものへの貢献は次第 に忌避されるようになり、容易に権力主義と結びつけられるよう になった。だが、この段階にあっても企業など組織そのものへ の貢献は一般的であった。しかし、90年代に入り、人々は個人 的な関心に重点を移すようになり、関心は内向的になり、集団 としての利益追求を否定する動きが顕著にななっている。今後 はますます「個の時代の到来」が声高に叫ばれていくのだろう。

 繰り返すようだが、人間社会の現在おかれている状況、そして 将来において対峙せざるをえない状況は極めて危機的であり、 人類は存亡の危機に立っているのである。自己の利害に関心 の重点を置く個人主義、競争を基本原理とする資本主義とその 恩恵が一方的に享受されうる時代ではなくなることは疑いようが ない。個人益より集団益を、国家益より人類益を重んじた視点 を考え直すべき時代なのかもしれない。少なくとも、既存のさま ざまな価値概念が問い直されるべきであろう。

 ここにわれわれの問題意識があり、当会を設立する意図があ る。つまり、現実には社会はどのようにそれらの問題群に立ち 向かっていこうとしているのか、その実体を自分の目で確かめ、 一人一人が我々の担うべき社会の将来像を創造できる、その ような場を設けることに眼目がある。
「過去のACTページより」