教授 梅本公子


最近の研究活動

  1. レクチン(糖結合性蛋白質)と糖の間の特異的相互作用の研究
    生体系における特異的反応の一つであるレクチンと糖の相互作用に ついて,NMRと理論計算によりその機構の詳細を解析している.糖鎖は細胞膜 上で細胞間の認識や免疫など様々な重要な生体機能に関与しており,その機能は 糖鎖の分子構造の微妙な違いに基づくとされている.研究では実験(NMR測 定)と計算(分子動力学計算)の両面から糖の溶液構造を調べ,さらにレクチン と結合した際に起こる糖の構造変化をも追跡している.また,ヒトのガラクトー ス結合性蛋白質(レクチン)の3次元NMR解析から,糖と結合する際にレクチ ン側にどのような構造変化が起こるかについても研究を進めている.

  2. 生体関連分子の構造とダイナミックスに関する研究
    NMR測定結果を用いてシミュレーション計算をすることにより,核酸オリゴマ ーやペプチドの溶液構造と局所的運動性を解析している.

  3. 立体構造変化を伴う反応の速度論的研究

  4. 励起状態のMCSCF計算
    プロペンおよびブテンの3重項励起状態のエネルギー準位および軌道をMCSCF分 子軌道法により計算し,励起アルケンの化学的反応性と電子状態との関連性を調 べている.

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研究論文

  1. Aida, M., Sugawara, Y., Oikawa, S. and Umemoto, K.: Structural fluctuation of methyl N,N'-diacetyl-β-D-chitobioside in vacuo and in aqueous solution: molecular dynamics simulations and proton NMR spectroscopy, Int. J. Biol. Macromol., 17, 227-236 (1995).
    レクチンと糖鎖の特異的相互作用の機構を探る研究の一環として分子動力学のシ ミュレーション計算によって糖鎖の水溶液中における構造とダイナミックスを調 べた.その結果N,N'-ジアセチルキトビオースでは2つのピラノース環を架橋する ような溶媒水分子が1個存在し,それによって糖構造が安定化されている様子が あきらかになった.この結果はNMRによる実験結果とも一致した.

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研究発表

  1. Umemoto, K., Dai, L., Ulyanov, N. B., Zhrukin, V. B., Sarma, M. H. and Sarma, R. H.: Narrow minor groove can be formed without an A-tract., 9th Conversation in Biomolecular Stereodynamics (Albany, NY), June 20-24, 1995. Proceedings in Biomol. Struct. & Dyn. 12, 243 (1995).


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理学研究科報告1995目次へ