出雲真理子
(指導教授:勝見允行)
Trifolium repens における根毛成長のホルモンによる調節
Hormonal control of root hair growth in Trifolium repens
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根毛(単一細胞)成長の調節に,植物ホルモンがどのように関与するかについては,
これまでほとんど知見がない.本研究では,シロツメクサ(Trifolium repens L.) を材料
として実験を行った.本研究者はすでに,2,4-D,カイネチン,ABA およびブラシノラ
イド(BR) は根毛成長を促進するが,ジベレリンA3(GA) はほとんど影響がないこ
とをみている.今回,GA 合成阻害剤であるウニコナゾール(Uni) が根毛成長を顕著
に阻害すること,この阻害は外生GA で完全に回復することを明らかにした.この事実
は,根毛成長には内生GA の存在が必要なことを示唆している.2,4-D とGA とは相互
作用を示さず,内生GA を抑えた条件下でも2,4-D による成長促進がみられたところか
ら,オーキシンとGAの制御機構はそれぞれ独立であると考えられる.ノマルスキーDIC
像顕微鏡下での観察によると,Uni 投与後12時間で根毛先端に顕著な細胞質蓄積が見ら
れ始め,36時間で90%以上に達する.細胞質蓄積はUni 除去後18時間で完全に消失した.
GA はこの消失速度には影響しなかったが,Uni とGA とを同時に与えると,細胞質蓄
積は約40%抑えられた.細胞質蓄積の消失とGA による成長回復との間には必ずしも直
接的関係はないと思われる.BR もGA 同様に細胞質蓄積の抑制にある程度効果がある
ことから,根毛細胞の正常な細胞質状態の維持には,GA とBR の両者が必要かもしれ
ない.細胞質蓄積は微小管破壊剤のクレマート処理によっては起きないので,細胞質蓄
積には微小管は関与していないと推定される.他方,界面活性剤のNonidet-40 はUni と
同様な細胞質蓄積効果を示したので,Uni の作用,したがって,GA とBR の作用は膜
に関係した過程を通して行われるのではないかと想像される.
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