教授 畑中信一
最近の研究活動
- 坦子菌 Amanita 属のRoanokenses 節は多数の種を含んでおり,本節に属する菌の子
実体はしばしば興味あるアミノ酸を含んでいることが知られている.しかし文献上に
記載があっても,再び入手することが困難である場合も多く未調査のままにされてい
るものが少なくない.今年度は協同研究者によって幸いにも数種の未調査種を採集で
きたので,現在そのアミノ酸を分析中である.
- タンパク質の生合成に関与しない特異なアミノ酸の分布は比較的小さい分類群の系統
関係を反映している可能性があり,この観点から菌類分類学の専門家と協力して研究
を進めている.
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研究論文
- Hatanaka, S. I., Okada, K. and Nagasawa, E.: Isolation and identification of (2S)-2-amino-5-chloro-4-hydroxy-5-hexenoic acid from an Amanita of the section Roanokenses (Amanitaceae). Mycosciences 36, 395-397 (1995).
われわれは1994年,同じRoanokenses節に属するAmanita gymnopus Corner & Bas
からはじめて報告したが,出発材料が少量であったため結晶化できず,分解点,
旋光度等の測定は不可能であった.今回,別種から高収量で純結晶が得られ,物
理化学的性質の記載を補うとともに,すでに提出した構造式を一層確実なものと
することができた.
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研究発表
- 畑中信一,岡田久美子,長沢栄史:Amanita cokeri (Gilb. et Kuhn.) Gilb. f. Nagasawa & Hongo (ササクレシロオニタケ)類縁種の子実体に蓄積される含塩素アミノ酸,日本
菌学会第39回大会(東京),1995年5月.
内容は研究論文とほぼ同じである.なお,本菌の種名を決定するのが容易でなか
ったが,研究協力者である長沢栄史氏による形態学的精査の結果,新種Amanita
gradicarpa sp. nov. として発表することにした.
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研究助成金・受賞等
- 文部省科学研究費(一般C):非タンパク性アミノ酸は系統分類の指標となりうるか
ム坦子菌Amanitaの場合(課題番号06640908,研究代表者)
- 三共株式会社筑波中央研究所奨学寄付金:菌類の基礎的研究
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理学研究科報告1995目次へ