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International Christian University
「平和・安全・共生」研究教育の形成と展開

COE拠点サブ・リーダー:千葉 眞

1 三つのプロジェクトとその課題
 国際基督教大学のCOEプログラムは、「学際、複合、新領域」の分野において「平和・安全・共生」(の実現可能性の探求)を主題とする「広域平和研究」を推進し、この分野での世界拠点の形成を目指すものである。学際的なプログラムであるが、基本的には、主題にかかわる以下の三つのプロジェクトと、米国ワシントン州立大学(WSU)との特別共同研究プロジェクトから構成されている。本プログラムは、各プロジェクトが相互に連携しつつ研究とネットワークづくりを進め、その成果を「広域平和研究」として総合しようとするものである。

プロジェクト1:平和・人権・ガヴァナンス
事業推進担当者
 植田、最上、ショーエンバウム、笹川、功刀、高橋、千葉眞、トレフソン、その他の共同研究者
 本プロジェクトは、平和研究、政治学、法学、国際関係論、国際法などの専門分野の視点から、「平和構築」、「人間の安全保障」、「平和的生存権」、「戦争責任」、「和解と共生」、「平和主義」、「地球規模の市民社会」、「グローバル・ガヴァナンス」といった種々の鍵概念に焦点を当てて、「平和・安全・共生」の理論を探究すると同時に、具体的な政策提言や制度化への提言を行っていく。本プロジェクトの検討課題は、平和運動と平和主義、欧州モデルの東アジアを含めた他地域への適用可能性の問題、人道的介入、紛争後の地域における平和構築の問題など多岐にわたる。
 上記の事業推進担当者の多くは、すでに北米、欧州、東アジアの研究教育ネットワークを幾重にも構築している。そのネットワークのさらなる充実を図りつつ、人々による下からのコミュニティや市民社会の形成と政策形成や行政サイドでの上からの政策実現とを創造的に接合することによって、草の根の個々人のイニシアティブに立脚した「人間の安全保障」の構築に向けて、理論と実際の両面で取り組んでいく。

プロジェクト2:安全・環境・サスティナビリティ
事業推進担当者
 宮崎、村上、小谷、西尾勝、西尾隆、北原、グリーンフィールド、その他の共同研究者
本プロジェクトは、「不安な社会」という歴史的文脈で、自然環境と科学技術、人間心理、社会と行政における「平和・安全・共生」研究教育の展開を試みる。具体的には、現代文明社会の抱える複雑な構造を有する種々のタイプの「不安」や「リスク」を前提としており、その中で「安全で安心できる社会」の構築を目指している。「心の安全空間」、安全な食糧・生活環境・医療の問題から放射能汚染の問題に至るまで、科学技術史、安全学、科学技術社会論、心理学、原子物理学などの視座から多角的に安全のテーマを研究する。
 さらに「人間と自然との共生」を視野に入れた国土保全のための森林管理システムの形成、競争原理をこえた共生原理に依拠する企業経営や経済活動、社会や行政のあり方の探究もなされていく。安全や環境保護に関するセオリーの構築を目指すとともに、環境政策の指標の提示、食糧などの安全のためのマニュアルの作成、放射能汚染の防止の方策など、具体的な提言や施策の提示をも行っていく予定である。

続く