■報告要旨
・ パートナーシップ評価とは、パートナーシップという「建設的な協力/連携関係」そのものを評価することであり、「プロジェクト評価」とは同義ではない。
・ パートナーシップ評価の意義としては、パートナーシップ関係の実情把握や改善、ステークホルダーに対する説明責任の確保などがある。
・ こうした評価にあたっては、評価項目・指標の設定から評価結果の共有・協議まで、プロジェクト当事者の参画が不可欠であり、加えて、そのような自己評価の有機的なフィードバックが個々のアクターによってなされることも重要と考える。
・ 具体的な評価事例としては、「JICA-USAID援助協調評価」、「JICA-CIDA援助協調評価」、「外務省マルチ・バイ協力評価」が、2001〜02年に実施された(詳細については、配付資料参照)。ただし、これらは、プロジェクト開始時からこのような評価の実施を検討していたわけではない。
・ 上述の評価結果からは、パートナーの比較優位性を生かした補完的関係の構築や「知識の共有」などのキーワードが浮かび上がった。
・ パートナーシップ評価の方法について、今後の課題としては、指標や手法の確立、プロジェクトの副次的効果のとらえ方などがあげられよう。
* 配付資料
「パートナーシップ評価の方法と実例研究の紹介」
「パートナーシップ評価類似事例一覧」
■全体討論
・ 国連システムで評価が重視され始めた70年代当初は、「政策への適切さ(policy relevance)」と「有効性(effectiveness)」を視野に入れた議論であったが、アメリカにおける行財政改革を背景に、しだいにビジネス界のロジックである「効率性(efficiency)」が組み込まれるようになってきた。
・ 参加型開発が重要であると言うのなら、事業評価もパートナーシップで実施すべきとの考え方は当然であり、今後このような動きが加速すると予測される。
・ 具体的な事業活動を評価することは比較的容易であろうが、政策形成・評価となると、高度に政治的であり、難しさの次元が異なるであろう。ただ、事業活動の評価においても、期待される結果(results/outcomes)に着目すれば、単にオペレーション上のことではなく、かなり規範的な領域に踏み込んだ話にもなろう。
・ JICAのパートナーシップ評価については、内部評価に限定せずに、第三者による外部評価の受け入れも検討すべきであろう。また、プロジェクトの成果を評価すると記されているが、これが「outputs」なのか「outcomes」であるのかが明確ではない。
・ 日本においても、結果重視のパートナーシップをもっと意識すべきであろう。しかし、同時に、短期間に(達成可能な)結果を出せばよいという短絡的な発想に陥る危険性も看過できない。手続上および配分の公正が、ともに満たされなければならない。さらには、文化的な価値など、経済的な価値では計測できないものを、いかに取り扱うのかという課題も残されよう。